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2017-08

冒険家クレーの歴史探訪:その2 - 2016.11.03 Thu

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先日に続きましてクレーの「歴史の意外な事実にクローズアップ」の古代バビロン編、第二回目でございます。
このシリーズは地味に人気のようですw 今後も書いていきますね。

ところで、この間は約200年も前に書かれた死海文書に古代バビロニア帝国の滅びの宣告がなされていたという話をしました。
このブログが初めての方は前の記事を読んだらわかりやすいと思います。前の記事はこちらから。

では今回はこの間書けなかった、「古代バビロンの滅亡はどこまで詳細に予告されていたか」をお見せしたいと思います。

まず、バビロンを滅ぼす「将軍の名前」はこの歴史的大事件の約2世紀も前から予告されていました。
それは死海写本のイザヤ44章28節にあります。

44_28.jpg

「キュロスについて[このように]言う者『彼はわたしの牧者であり、わたしの喜ぶことをすべて完全に成し遂げるであろう』と。すなわち、エルサレムについて『彼女は建て直されるであろう』神殿について『あなたはその基を据えられるであろう』と言う[わたしの]ことばをも」

当然書かれたときはその将軍は生まれてないどころか、その親すら存在しなかったことでしょう。
ですがイザヤ書にはメディア・ペルシャの将軍が「キュロス(Cyrus)」であると書かれています。
では実際の歴史はどうだったのでしょうか?

西暦前539年の収穫期のころ、はるか昔に予告されていた征服者がバビロンの城壁の前にやって来ました。
言うまでもなくその将軍の名前は現在、歴史上の大王のひとりとして知られるキュロスでした。

cyrus-the-great(1).jpg
キュロス大王

現在でも彼は歴史上の偉大な将軍の一人として数えられています。
また、彼の墓は世界遺産として登録されています。

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キュロスの墓

しかし、キュロスの軍勢に囲まれたバビロニア人の中の名の知られた占い師たちは、同市がまもなく倒壊するとは見ていませんでした。 かえって「優に20年は持ちこたえる備えをしてあると考え」『その包囲を見くびって』いました。―クセノフォン著 「キュロスの教育」(Cyropædia) 第7章13

たしかにバビロニア帝国の都市は難攻不落の都市として知られていました。
まず場所ですが、現代のバグダッドの南約80キロの地点に存在していました。
また、当時のバビロンの都市は二重の巨大な城壁に囲まれていて、壁と壁の間には粗石がぎっしり詰め込まれ、二重の城壁は厚さ24メートルを超える防壁を形成していました。

また、城壁の外は内側をれんがで覆った幅20ないし80メートルの堀になっていてあらゆる種類の舟がそこを通行していました。 

Majesty_Ancient_Babylon_Superb_3D_Animations_2.jpg

古代の歴史家ヘロドトスの記録によるとバビロンの壁は90メートルを超える高さがあると伝えています。
どんなに壮大な都市だったかがわかるCG動画はこちらからどうぞ。



実際、同市の「巨大な壁と堀」を前にメディア・ペルシャの将軍キュロスは自信を失い、腹心の将官たちに、
「これほど巨大で、これほど高い防壁に囲まれた都市を強襲して陥落させることなどだれにできよう」と語ったと伝えられています。―「キュロスの教育」第7章7節
ですが、以前書いた通りこの巨大な要塞都市は「たった一晩」で滅びます。

では一体たった一晩でどうやって滅びるのでしょうか? 
それは後半で明らかになります!
  

この要塞のような都市を滅ぼす戦術も事前に書かれてます。それはイザヤ44章27、28節にあります。

44_27.jpg

「水の深みに、『蒸発せよ。わたしはあなたのすべての川を干上がらせるであろう』と言う者、 キュロスについて[このように]言う者、『彼はわたしの牧者であり、わたしの喜ぶことをすべて完全に成し遂げるであろう』と。すなわち、エルサレムについて『彼女は建て直されるであろう』神殿について『あなたはその基を据えられるであろう』と言う[わたしの]ことばをも」

確かに、大きな船が行き来するほどの巨大な堀でも、干上がらせれば城壁まで簡単に近づくことができます。
ちなみに、上の予言の最後の「エルサレムの開放」もこの通りになり、キュロスはバビロンに捕らわれていたイスラエル人の開放及びエルサレムの再建と復興の支援を行いました。

実際キュロスはまず、巨大な川の流れを変える幾つかの水路を掘りました。

「やがてキュロスは、バビロンのすべての者がひと晩中、享楽の酒宴を開くある祭りがバビロンに巡ってきたことを知ると、日没と同時に、多数の兵員を動員して川に通じる幾筋かの水路を開いた。……そして、市内を突き抜けている川の底は人が通れるようになった」―「キュロスの教育」第7章15、16節。

このようにしてキュロスの手勢は既にバビロンの市内に侵入しましたが、干上がらせた川底を忍び足で進むあいだ決して安全だったわけではありません。
川の両側には高い城壁がそそり立っていました。 仮にバビロニア軍の見張りが城壁にある青銅製の門を閉じれば、ペルシャの兵士たちは袋のねずみも同然で、城壁の上方から矢を雨あられと浴びせられることになります。

しかしこの時の街の様子を、聖書の別の有名な預言書エレミヤ 51章57節に予告されていました。(この書はこの出来事の約30年前、西暦前580年に書かれました)
ここは死海文書にないので、クレーがアメリカの本屋で買ってきたキングジェームス訳の聖書からどうぞ。

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「わたしはその君たちや知者、知事、代理支配者、強大な者たちを酔わせ、彼らは必ず定めなく続く眠りに就き、それから覚めることはない」

この時なんと彼らは、敵が迫っているにもかかわらず強固な都市を過信して酒盛りで大騒ぎしていたのです。
では、この巨大な城壁はどうするのでしょうか? 
それに関してもちゃんと答えがあります。 それはイザヤ45章1節です。

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「わたしはその右手を取った。それは、彼の前に諸国の民を従えるため、わたしが王たちの腰の帯を解くためである。彼の前に二枚扉を開いて、門が閉じられないようにするためである」

なんと酒と祭りで浮かれていたバビロニア人たちはペルシャの攻撃が始まったとき、これらの重要な門をかんぬきを閉めてしっかり防御していませんでした。全く愚かなことにイザヤの預言の通り扉を開けたままでした。
川岸の門を抜けて市内に入った侵入者たちは、ほとんど抵抗らしい抵抗も受けることなく、不意を突かれたバビロニア人たちはただぼう然としていました。 何と難攻不落を謳ったこの巨大な古代都市はほとんど一戦も交えることなく一夜にして陥落したのです。

先ほどと同じエレミヤ書にはこのことを見ていたかのような記述があります。

51_30.jpg

「バビロンの力ある者たちは戦うことをやめた。彼らは強固な場所に座りつづけた。その力強さは枯れた。彼らは女になった。その住居は火をつけられた。そのかんぬきは砕かれた」 
エレミヤ 51章30節

もう一度書きますが、歴然とした事実としてこのイザヤ書はバビロンの滅びの「約200年前」に書かれたものです。
ですから、ここまで詳細な予告が存在していたというのは驚愕の事実です。
「これは出来すぎだ!」って思われるかもですが、ここに書いたバビロンの滅び方は全て考古学上の事実になってます。

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攻撃するメディアペルシャ軍の壁画

加えてバビロンは宗教都市としても有名でしたが、そこには無数の占星術者、魔術師、占い師がいました。
この予言の最後にこの預言の前での彼らの無力さを嘲った部分もあります。
最後に死海文書のイザヤ 47章13、14節を読んでみましょう。

47_14.jpg

「あなたはその大勢の助言者にうみ疲れた。天を崇拝する者たち、星を見る者たち、新月の時にあなたに臨むことに関する知識を授ける者たち、さあ、彼らを立ち上がらせよ、あなたを救わせてみよ。 見よ、彼らは刈り株のようになった。火が必ず彼らを焼き尽くす。彼らは炎の力から自分の魂を救い出せないであろう。人々が身を暖めるための炭火の盛んな熱もなく、その前に座るための火明かりもないであろう。」

約200年前に書かれた預言で、バビロンにある数知れない彼らの壮大な神殿はその魔術師達や占い師達とともに倒れることがすでに定められていたのです。世界強国であってもこの運命を避けることができなかった、この預言の強力さがわかる記述です。

皆さんいかがでしたか? これが古代バビロンの滅びに関して書かれた預言の一部です。

え?これでも一部? そうなんですよ…実はもっとあるのですが、それこそ書いてたら数十枚の大学論文になってしまいます…
今回は「古代バビロン」に関して書いている死海文書が関係するところだけを切り抜いて簡単に書いてみましたww

このほかにも死海写本のイザヤ書にはエルサレム、ティルス、エジプトなどの滅びなどなど、100%的中の面白い預言が山のように書かれています。 これ、恐ろしいほど正確なのにあまり知られてないんですよね。
クレーとしたら、冷静にこれと比べると「ノストラダムスって誰?」ってなっちゃうわけですよ。

ではこのシリーズはかなり濃い内容でしたがいかがだったでしょうか? また気合が入ったら書いてみようと思いますww 基本的に知ってる事なのですが、内容的に正確でないと意味ないので、一応まじめにリサーチして書いてるんですw

あ、ちなみにアメリカ大統領も就任するとき聖書に手を載せて誓いますから気を付けて見てててくださいね。

president-obama-oath-white-house.jpg
就任の宣誓をするオバマ大統領

実はアメリカや欧米の憲法も一部は聖書を基礎にしています。 この本は案外すごいんですよ。
ということで皆さま、今日も新たなことを発見してまいりましょう~

  
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● COMMENT ●

読みごたえありました!(*≧∀≦*)

子供の頃によく読まされてたので懐かしいですw
旧約聖書はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教それぞれの
聖典ですから興味深いですね♪(ノ´∀`*)

なななんと…失礼かもだけど…日本で珍しいですね!

聖典って、そうですよね。
知り合いの中東の人と話しててコーランにも幾つか似た記述があるらしいです。
でもコーランは聖書よりかなり新しいですが。

預言って聞くと怪しい感じですけど、ここまで証拠を積むと唸ってしまいまよね。
だーのさんは日本史だけではなく世界史にも強そうですね~


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クレー・パオロ

Author:クレー・パオロ
所属国:ヴェネチア
商会:英・東インド会社
本拠地:ロンドン
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A鯖リスボンを中心に活動する創業まもない呉服店です。ヴェネチア発、着物文化を世界に広げましょうw

大海原を駆け抜けつつ、新旧問わずお気に入りの呉服(だけではなく洋服も…というか洋服が多いかも)を独断と偏見に基づき勝手にコーディネートして回りたいと思います。DOLの魅了は洋上だけにあらず!ということで貴方のお気に入りの一着はどれですか?

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